餓死した七人の坊主と七つの石地蔵
どんな伝承か
東京都八丈島、中之郷の東に、小岩戸岬を南端とする東山が横たわる。むかし島流しにされた七人の坊主が中之郷あずかりとなったが、誰も相手にせず食べ物も与えず追い出した。坊主たちは東山の頂上近くに住み、とうとう七人とも餓死した。以後、夜ごと白衣の亡霊が民家の付近を歩き回り、不作や家畜の死が続いたので、ミコに拝ませると七人の坊主の祟りと分かり、頂上の神木の下に七つの石地蔵を建てて霊を慰めた。昭和二十七年、東山を横断する林道工事の際、村民が坊主の悪口を歌にしたところ、翌十一月十九日に現場の七人が山くずれで生き埋めになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。