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旬報社の二階で聞いた産声

所在地東京都港区六本木(旬報社)
年代昭和三十年
登場原田弘、山本嘉次郎、体験者(映画監督)
出典現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話

どんな伝承か

昭和二、三年の頃、映画監督の山本嘉次郎ら三、四人が帰りそびれ、麻布今井町の旬報社に泊まることにした。午前一時ごろ二階に布団を敷いたが、蒸し暑くて寝つけない。うとうとしかけたとき、部屋じゅうが青白い光に包まれた。電車の走る時刻ではなく、電灯も切ってある。訳の分からぬまま横になっていると、女の泣き声とも呻きともつかぬ声がどこからともなく流れ、続いてオギャーという産声が聞こえた。一同は飛び起き、朝まで眠れなかった。少し前、この事務所で社の男に振られた妊婦が猫いらずを誤って多く飲み、死んでいた。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))

『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。

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