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電柱の下で子守唄をうたう妻

所在地青森県青森市沖館小浜
年代現代
登場—
出典現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話

どんな伝承か

昭和の初め頃の話。夫婦と手足の不自由な赤ん坊、夫の母の四人暮らしの家があった。男は大変な酒飲みで毎夜酔って帰り、夜になると決まって泣き出す赤ん坊の声を聞いては「よくもこんな子供を生んで、出ていけ」と怒鳴った。姑もいじわるで、ふとしたことで妻と口げんかになり、髪の毛をつかんで家の中を引きずり歩いた。妻は泣く赤ん坊を背負って夜の外へ飛び出した。その翌夜、また酔って帰ってきた男は、家の前の電柱のところに、妻が子を背負って子守唄をうたって立つ後ろ姿を見た。手を取ると氷のように冷たく、妻は目に涙をためて恨めしそうに男を見た。髪も着物もぐっしょり濡れていた。翌朝、沖館川で妻と子が水死体となって見つかった。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))

『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。

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