足裏の墨の跡に生じたほくろ
どんな伝承か
主人の弟は九歳のとき水死した。祖父はその死を深く悲しみ、亡骸の左足の裏に墨をつけ『生まれ変わってこいよ』と言って葬ったという。その後、語り手夫婦が結婚し、昭和五十年に男の子が生まれたが、その子の左足の裏には小さなほくろがあり、年とともに大きくなって今では七、八ミリになった。祖父が墨で印をつけた場所とちょうど同じだというので、主人の姉たちは、この子は水死した弟の生まれ変わりだと言っているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。