えんこうと土用の丑の胡瓜流し
どんな伝承か
しばてんと並んで、著者の村では河童の話も聞かされた。村では河童をえんこうと呼び、えんこうは池や川に棲んで、時折村の少年を水に引き込んで死なせた。溺れた子があると、あの子はえんこうに肛門を抜かれたのだと言われた。土用の丑の日には、村の農家が胡瓜を海や川に流して河童を祭る習わしがあったという。
原典より
土用の丑の日には、村の農家では胡瓜を海や川に流して河童を祭った。—— 日本の怪談(田中貢太郎・河出文庫・1985年(昭和60年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の怪談(田中貢太郎・河出文庫・1985年(昭和60年))
『日本の怪談』は、田中貢太郎の怪談を昭和四十五年桃源社刊『日本怪談全集』から抜き出した文庫本で、昭和六十年十二月に河出書房新社から発行された。「宝蔵の短刀」「八人みさきの話」など土佐の城下や村の話をはじめ、江戸・京・吉野などを舞台にした幽霊・狐狸・猿・魔物の話を、会話の多い語り口で収める。二十七篇の後に尾崎秀樹の解説を付し、高知に生まれた作者の生涯と怪談・妖異譚への傾倒をたどっている。