トップ > 高知県の伝承 > 高知市

荒倉の峠に現れた朝倉一五〇の人力車

所在地高知県高知市(荒倉)
年代明治〜昭和
登場橋田庫次、洋画家・体験者
出典日本怪談実話

どんな伝承か

洋画家の橋田庫次が少年の頃、吾川郡の弘岡村へ使いに行き、日が暮れてから自転車で帰って来た。途中に荒倉という山坂があり、鬼火が出るとか狸がいるとかいうので薄気味悪かった。やっと峠へたどりつくと茶店があり、門口に朝倉一五〇と記した提灯の人力車がいた。傍から「哥さん、どうせ乗って往きや」と変な言い回しの声がしたので、厭な気がして寄らずに坂を駆け下りた。すると後から一台の人力車が来て、轍の音も立てずに自転車を追い抜いて行った。その提灯には朝倉一五〇とあった。麓で道が二つに分かれた所へ来ると、地の底から出たようにまた人力車が現れ、朝倉連隊へ行く方の路へ折れて行った。その車にも同じ提灯が点いていた。

地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫・1938年(昭和13年))

『日本怪談実話』は、田中貢太郎が昭和十三年に著した実話怪談集を河出文庫に収めたものである。明治以降に著者が聞き集めた怪異を報告調の短文で綴り、戦地の霊験や戦死者の知らせ、狐狸・天狗・海坊主、トンネルや自動車に現れる女、幽霊写真、狐狗狸などを扱う。元本は改造社刊の『新怪談集(実話篇)』で、冕言に始まって二百を超える小話を並べ、巻末に川奈まり子の解説を付す。

種別から探す

人力車幽霊怪異提灯

高知市の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『日本怪談実話』の伝承