讃岐実業新聞の郁子報道
どんな伝承か
長尾郁子は、御船千鶴子の透視能力を報じる新聞記事に刺激され、子どもを相手に面白半分に透視を試すうち、自分にもその力があることを知った。まず地元の讃岐実業新聞が、警察署で行った実験の結果として「御船千鶴子をしのぐ千里眼だ」と報じた。これがきっかけとなり、明治四十三年十月二十三日付の『東京朝日新聞』が大々的に報道すると、郁子の名は一躍、関東にまで知れ渡った。こうして福来友吉も彼女に注目し、京大の今村新吉とともに四国へ渡って実験を繰り返すことになる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊と神秘世界(福来友吉・1932年(昭和7年))
『心霊と神秘世界』は、文学博士福来友吉が著し、昭和七年に人文書院から発行された心霊研究と仏教思想の書である。御船千鶴子・長尾夫人・三田光一らの透視と念写をはじめ、霊の幻化、念動、物質化など国内外の心霊現象を実験記録とともに論じ、後半では自我・神秘世界・霊と生命を真言密教や華厳の教えによって説く。全五編からなり、この本文は昭和五十七年に心交社が出した復刻版で、梅原正紀・井村宏次らの「解説研究編」を付している。