五歳で体を離れ先を知った女性
どんな伝承か
埼玉県志木市の杉尾桂子は五歳のとき心臓麻痺で死を告げられ、しばらくして息を吹き返した。そのあいだ彼女は、自分を取り囲んで泣いている近所の女性たちを上から見下ろしていたという。どうやって体へ戻ったのかは覚えていないが、気がつくと母から、お前は死んでいたのだと言われた。この体験のあと、彼女には見えないものとつながるような力が現れる。東京の祖父が亡くなったことを、知らせが届く前に察してしまうといった具合で、一瞬の直感として先のことが当たってしまうのである。それが恐ろしく、しばらくはずいぶん悩んだと語っている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
臨死体験(立花隆)(立花隆・臨死体験・ノンフィクション)
『臨死体験(立花隆)』は、立花隆が著したノンフィクションである。一九九一年三月放送のNHKスペシャルのための取材を出発点に、日本と欧米の体験者の証言、キュブラー・ロスやムーディら研究者への聞き取り、「文藝春秋」連載中に寄せられた体験談を収める。体外離脱、光の体験、文化による体験の差、感覚遮断や脳の仕組みを章ごとに論じ、末尾で現実体験説と脳内現象説を比べたうえで、著者は基本的に脳内現象説に立つと述べる。