大根引きの畑で拝んだ天降りのお札
どんな伝承か
知多郡南知多町大井の郷土史家石黒鐘二が、村の古老を訪ねて聞き書きした一話。相川さと(当時八十三歳)は、午後二時に畑へ大根引きに行った折、天から札の降る奇瑞を目のあたりにしたという。村人は皆その場で手を合わせて降る札を拝んだ。札の降った瑞祥の家の一軒であった間瀬伊八方では、大籠に章魚をいっぱい茹でて振る舞ったことを、さとはよく覚えていた。同家には十月五日に福寿稲荷大明神の札が降ったと古記録に記されている。
原典より
相川さとさん(八十三歳)の話によると、午後二時畑へ大根引に行って、この奇瑞を見た由で、村人は皆手を合せて天降るお札を拝み、…—— 日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本神異見聞伝(笠井鎮夫・1974年(昭和49年))
『日本神異見聞伝』は、笠井鎮夫が昭和四十九年に著した霊異の見聞記である。第一篇では、大正期に大本で鎮魂帰神を受けた著者が、霊媒による死者の招霊や狐霊・竜神の託宣、霊石の発掘などを研究会での語りの口調で伝える。第二篇では、慶応三年のええじゃないかのころ尾張・遠江・駿河・美濃・丹後などで起きたお札降りを、旧家の古文書や郷土史家の便り、著者の現地調査から記録している。