伊勢で拝した天照大神と宗忠の神
どんな伝承か
恒原松太郎の母の話によると、ある年、松太郎は天満宮のお供をして伊勢の大神宮に参った。奥の御門を入り、本殿の階段前の岩に座る天満宮の後ろに控えていると、天満宮の拍手とともに扉が開いて御簾が上がった。中央には大きな鏡を手にした美しい神、左脇には七十あまりに見える頭の光った太った神、右脇にも美しい神がいた。天満宮は、中央が天照大神、左脇が宗忠の神だと教えた。神になってまだ三十年あまりの宗忠がなぜ大神の膝元に仕えるのかと尋ねると、天照大神の徳を世の人に説き、人を助けた功がとりわけ大きいからだと答えたという。
原典より
「中央におはしますが天照大神様、左脇が宗忠の神様なり」—— 近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年))
『近代日本霊異実録』は、笠井鎮夫が著して昭和四十一年に昭森社から初版を出した、幕末から近代の神憑りと霊異の記録で、ここに収めるのは昭和四十八年に山雅房から出た複刻版である。金光教・黒住教・天理教・大本の教祖の神憑り、井上正鉄の求道、宮地常磐・堅磐父子や河野至道の神仙譚、天狗の弟子寅吉の話、長南年恵の奇跡などを、手記・写本・旧著を引いて語る。全十二録からなり、第一録には金光教に入信した著者の父の手記を収め、巻末にあとがきと著者略歴を置く。