天狗界を案内された宮地堅磐と若い寅吉
どんな伝承か
土佐国潮江村の天満宮の神官宮地堅磐は、現世に身を置いたまま肉体ごと神仙界に出入りしたと伝えられる人物である。堅磐は岩間山天狗界の首領杉山僧正と親しく、師の川丹先生の命により、杉山僧正が案内役となって、堅磐を岩間山をはじめあちこちの天狗界へ連れて行き見学させたことがあった。その縁で弟子の寅吉にも会っている。明治十五年当時、現世の数え方なら寅吉は七十七歳のはずだが、天狗界に入った時と同じ十四、五歳の姿のままだったと、堅磐の『異境備忘録』は記しているという。
原典より
堅磐大人が平生出入した神仙界は岩間山の天狗界よりもずっと高次元の界である関係上、堅磐大人の師仙川丹先生の命令で、…—— 近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年))
『近代日本霊異実録』は、笠井鎮夫が著して昭和四十一年に昭森社から初版を出した、幕末から近代の神憑りと霊異の記録で、ここに収めるのは昭和四十八年に山雅房から出た複刻版である。金光教・黒住教・天理教・大本の教祖の神憑り、井上正鉄の求道、宮地常磐・堅磐父子や河野至道の神仙譚、天狗の弟子寅吉の話、長南年恵の奇跡などを、手記・写本・旧著を引いて語る。全十二録からなり、第一録には金光教に入信した著者の父の手記を収め、巻末にあとがきと著者略歴を置く。