入門の誓印が指に現れた参沢宗哲
どんな伝承か
和歌山の藩士参沢宗哲は、幸安を通じて九州赤山の仙君、清浄利仙君への入門を願い出た。嘉永五年、出雲へ向かう途中の利仙君が、宗哲から入門誓約の願いが出るだろうから本心を聞いておけと幸安に言ったため、宗哲は願書を書き、幸安がそれを赤山へ持参した。願いは聞き届けられ、誓いの印は左手の人差し指を突いて墨を入れる法だと伝えられた。すると、書付が利仙君のもとへ届いたその時から、宗哲の左手の人差し指に急に小さな腫れ物ができた。そこが誓印の場所で、幸安が幽境で印を受けたのと同じ所だった。そこを破って墨を入れると、腫れもたちまち治ったという。
原典より
扱て右書附利仙君の御許へ参り候刻より俄に左手の人指に小さき腫物出来候処其処が即ち誓印の場にて、幸安の幽境にて誓印せしも同様の処なり。—— 近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年))
『近代日本霊異実録』は、笠井鎮夫が著して昭和四十一年に昭森社から初版を出した、幕末から近代の神憑りと霊異の記録で、ここに収めるのは昭和四十八年に山雅房から出た複刻版である。金光教・黒住教・天理教・大本の教祖の神憑り、井上正鉄の求道、宮地常磐・堅磐父子や河野至道の神仙譚、天狗の弟子寅吉の話、長南年恵の奇跡などを、手記・写本・旧著を引いて語る。全十二録からなり、第一録には金光教に入信した著者の父の手記を収め、巻末にあとがきと著者略歴を置く。