わからんと繰り返した再度の神示
どんな伝承か
教祖の死の直後に下されたお指図には、疑問を抱く信者が多かった。そこで教祖が亡くなって一週間後の明治二十年二月二十四日の午後七時、ほかに適当な霊能者がいないため、再び飯降伊蔵に頼んで同じことについて神意を確かめた。返ってきたのは、わからん、何もわからん、百十五歳も九十歳もわからん、二十五年の不足もわからんと繰り返したうえで、だから二十五年を縮めて助けを急ぎ、扉を開いて世界をならしに出た、神は少しも違ったことは言わないという答えだった。著者は、前後のつながりからして意味が通らないと、半ば呆れながら記している。
原典より
『さあさあ、わからんわからん、何もわからん、百十五歳、九十歳、これもわからん。—— 近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年))
『近代日本霊異実録』は、笠井鎮夫が著して昭和四十一年に昭森社から初版を出した、幕末から近代の神憑りと霊異の記録で、ここに収めるのは昭和四十八年に山雅房から出た複刻版である。金光教・黒住教・天理教・大本の教祖の神憑り、井上正鉄の求道、宮地常磐・堅磐父子や河野至道の神仙譚、天狗の弟子寅吉の話、長南年恵の奇跡などを、手記・写本・旧著を引いて語る。全十二録からなり、第一録には金光教に入信した著者の父の手記を収め、巻末にあとがきと著者略歴を置く。