洗ったばかりの丼が棚へ移る
どんな伝承か
小竹繁井の直話である。勝手元で働いていると、今洗ったばかりの丼が不意に見えなくなることがあった。困っていると年恵が勝手へ出て来て、何か困ったことがないかと訊ねる。これこれだと言うと、それはそこにあると上の方を指す。見ると丼はちゃんと棚の上に載っていた。これに類したことは他にもちょいちょいあったという。年恵の神通力にはいつも驚かされ、部屋の内に座ったままで何でも判るのである。親戚に不幸があるにもかかわらず神様に参詣する者がいるとすぐに指摘して追い返し、経水のある婦人なども即座に咎めた。そのほか何もかも見通しのようであったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・昭和)