駒止峠で見つけた湿原
どんな伝承か
高さを求めても人気のない場所はもう残っていないので、著者は横へ、密林の奥へと進むことにした。新聞社の飛行機で会津の上空を飛び、地形図に描かれた湿原を一つ一つ空から探すと、七ッガ岳の周辺はほとんど藪ばかりで何もないことがわかったが、駒止峠の東北に第二の尾瀬といえそうな場所を見つけた。一週間もたたぬうちに現地を歩き、七ッガ岳では同行者が垂壁から落ちて大腿骨を折ったため、単身で未踏の北面のジャングルを駆け抜けて人を呼んだ。その後、駒止峠の湿原を訪ね、よどんだ池をカッパ湿原、台地の上の湿原をメノコ湿原と名づけた。針生の木賃宿に泊まり、黒岩山の湿原も探したが、これは見つけられなかった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
山とお化けと自然界(西丸震哉・山岳・怪異エッセイ・昭和(戦後))
西丸震哉『山とお化けと自然界』を篇単位で収録。完全装備で岩小屋前を通過する遭難者の幽霊目撃、木曾御岳の人魂たち、カラステングがタコを食う、亡き兄との交信やテレパシー(死者との通信)、幽霊の仮説・怪談といった山岳怪異譚を軸に、呪い殺しの実験・雨やみの術・日蝕と雨やみの術などの呪術、山の昆虫・メスネコの生涯・ヤマネとムササビ・ミミズク等の自然観察、酒・山旅・会津の秘境/栗駒山密林などの紀行随想を収める。