被災地のタクシーに乗る亡き人
どんな伝承か
怪奇現象を、事件や事故、自然災害後の地域社会における死の受容という観点からとらえようとする研究がある。近年、東日本大震災後に罹災者と遭遇した石巻・気仙沼市内のタクシー運転手の心霊体験を克明に記述した工藤の報告が話題を呼んだ。そこで報告された事象は「死後のコミュニケーション」と呼ばれるものの一種で、関わりのある人を失った人々がその死を受容し、トラウマを乗り越えていく過程で経験する新しいタイプの心霊現象とされる。この概念の提唱者は、亡くなった家族や友人から直接かつ自発的にコンタクトされた時のスピリチュアルな経験と定義し、声や姿、匂いや触られた感覚など十二の類型からなるとした。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪異の類型と分布の時代変化に関する定量的分析の試み(鈴木晃志郎・于燕楠・E-journal GEO・現代(2020・地理学論文))
鈴木晃志郎・于燕楠による地理学の調査報告(E-journal GEO 2020)。幽霊・妖怪を含む怪異を定量的・地理学的に分析する試みで、富山県を対象に約100年前の大正群(1914年高岡新報「越中怪談」等を復刻した『越中怪談紀行』)と現代群(ネット上の富山心霊スポット)を比較する。