布引の滝の白滝大明神を透視
どんな伝承か
中岡桂園尼がある七月初めの暑い夜、鏡を掛けて坐っていると、布引の滝のあたりに美しい社が浮かび、明日お参りしなさいという声がした。男滝へは一、二度しか行ったことがなく道を案じると、その道筋までありありと見えたという。翌朝、見張り役として付き添っていた兄嫁と弟を伴い、女滝から登って男滝に着いたが、社は見当たらない。二人が草をかき分けて左手の奥を探すと、白滝大明神と薄く読める古びた小さな社が見つかった。夜に見た姿ほど立派ではなかったが神の名は同じで、彼女は用意した紅白の餅を供えて長く祈った。またも予言が当たったことに、兄嫁も弟も不思議がったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の四次元(鈴江淳也・心霊・四次元・1973年(昭和48年))
『日本の四次元』は、鈴江淳也が昭和四十八年に著した超常現象の取材記である。幽霊の出る家や競馬場、古武士の怨念、守護霊、心霊写真、新幹線の四次元地帯、心霊治療、物品引き寄せ、てのひら療法、比婆山の怪獣やツチノコ、死後も占う易者犬などを、当事者を訪ねて聞いた話として記す。「幽霊と怨念の世界」から「動植物の驚異」まで六部に分け、あとがきで大陸書房刊『日本の奇談』『現代の怪奇』に続く第三弾と述べ、問い合わせ先を挙げる。