取り除いても戻るまんじゅう石
どんな伝承か
生野では他にも怪異が伝わっている。庵屋敷という田の真ん中に、丸い石を積み重ねた「まんじゅう石」があり、邪魔だと取り除いてもなぜか翌朝には元の場所へ戻っているという。昭和三十三年九月、土に埋もれたこの石を掘り出そうとした人夫が、突然全身を震わせ冷や汗を流しはじめ、土をもとのように埋め戻すとようやく震えが止まったと伝えられる。落人の墓の跡ではないかと見られている。
原典より
邪魔になるのはわかった話で、これを取り除くと翌朝には、またしても石が元のところへ帰って来ているのである。—— 現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年))
『現代の怪奇――日本列島のミステリー地帯』は、鈴江淳也が前著『日本の奇談』に続けてまとめた、現代の超常現象と奇談のレポートである。桑名の「天狗の初さん」、新幹線の亡霊、京都のタクシーに乗る幽霊客、人魂、原因の知れない奇病、念写と三田光一の透視などを、著者の取材・面談と、大正の新聞から昭和四十年代の週刊誌までの記事で集めて収める。五つの部に分け、あとがきは昭和四十五年三月の日付で、巻末に機関誌などを入手できる団体・研究家の一覧を付す。