初盆の家が営む八月二十日の施餓鬼
どんな伝承か
兵庫県でも東部の朝来郡朝来町では、盆の施餓鬼は初盆を迎えた家が僧侶を招いて行うものになっている。日取りは八月二十日で、祭りの対象はその家の新仏であり、あわせて戦死者の霊もまつるという。一般の餓鬼仏はほとんど顧みられていない。朝来教育委員会の『多々良木』に見える例で、著者は、施餓鬼の重心が無縁仏の供養から各家の新仏の供養へと移っていったことを示すものとして、千種町の例と並べて挙げている。
原典より
十三 盆の祭り十四 高野の大施餓鬼十五 葬儀における水汲み十六 葬儀に見られる水第三章 葬祭の民俗一 葬と祭と二 遺骸の処理三 食物の供与—— 霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・1984年(昭和59年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・1984年(昭和59年))
『霊魂の行方』は、最上孝敬の葬送習俗に関する論説を集め、名著出版が昭和五十九年に刊行した論集である。死者の霊を家から送り出す霊送りやカラダビ、骨掛け、男女別墓制と半檀家、無縁仏、盆と施餓鬼、葬儀の水など、千葉・埼玉をはじめ各地で聞き取った習俗と既刊の報告をもとに論じる。「霊送りとその周辺」「葬送の諸問題」「葬祭の民俗」の三章に二十八篇を収め、巻末に初出一覧、大島建彦の解説、年譜、著作目録を付す。