足を引かれ堂々巡りになる夜道
どんな伝承か
兵庫県朝来郡生野町では、生野ダムの工事が進むころ、その付近にある馬淵部落へ夜に通う人が、何者かに足を引かれて動けなくなり、引き返す羽目になったという。一人だから化物が出るのだと言って、青年団の面々が連れ立って歩いてみたこともあった。それでも部落へ辿り着くことはできず、全員が同じ場所をぐるぐると回り続けたという。今では夜に通る者もいないが、ダム工事で大勢が生き埋めになって死んだため、その亡者が現れるのだと説明されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年))
『現代の怪奇――日本列島のミステリー地帯』は、鈴江淳也が前著『日本の奇談』に続けてまとめた、現代の超常現象と奇談のレポートである。桑名の「天狗の初さん」、新幹線の亡霊、京都のタクシーに乗る幽霊客、人魂、原因の知れない奇病、念写と三田光一の透視などを、著者の取材・面談と、大正の新聞から昭和四十年代の週刊誌までの記事で集めて収める。五つの部に分け、あとがきは昭和四十五年三月の日付で、巻末に機関誌などを入手できる団体・研究家の一覧を付す。