箱の中の金縁眼鏡を当てた物品透視
どんな伝承か
三田光一の興行では、文字の透視の次に、客が差し出した品物を当てる物品透視が演じられた。地元紙『高知万朝報』によれば、大正二年八月二十六日の夜、堀詰座で開かれた三田の千里眼自覚術の会で、客の一人が新しいハンカチで金縁の眼鏡を包み、箱に納めて差し出した。三田はそれを舞台のテーブルにそっと置いてしばらく黙想し、外側は白く光沢があって糊の利いたもの、中は金属で強く光を返すものだと語り、やがて見えてきたと言って、金縁の眼鏡だと言い当てた。
原典より
「これは外に包んであるものは、白で光沢があり、糊付るもの。・・・・・・さらに内部は金属性であり、非常に反射力のあるものですね。…—— 現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年))
『現代の怪奇――日本列島のミステリー地帯』は、鈴江淳也が前著『日本の奇談』に続けてまとめた、現代の超常現象と奇談のレポートである。桑名の「天狗の初さん」、新幹線の亡霊、京都のタクシーに乗る幽霊客、人魂、原因の知れない奇病、念写と三田光一の透視などを、著者の取材・面談と、大正の新聞から昭和四十年代の週刊誌までの記事で集めて収める。五つの部に分け、あとがきは昭和四十五年三月の日付で、巻末に機関誌などを入手できる団体・研究家の一覧を付す。