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岩倉八幡の裏山で撃たれた化け狸

所在地徳島県美馬市(岩倉八幡)
年代維新の少し前
登場藤本某、平田某、若者、稲田氏の家臣
出典阿波の狸の話

どんな伝承か

美馬郡岩倉村の山裾に氏神の八幡社があり、木の茂った裏山には昔古狸が棲んで人を化かしたり憑いたりしていた。維新の少し前、同村の馬木に住む稲田家の家臣平田某が夜、鳥居の前で櫛を落としたと探す婦人に会い、怪しんで斬りつけると悲鳴とともに消えた。まもなく村の若者藤本某に狸が憑き、平田には敵わないと口走ったので、裏山の狸と知れた。祈っても追っても戻ってくるので家族は平田に相談し、狸が離れた隙に知らせを受けた平田は鉄砲を手に夜の裏山へ入った。見慣れぬ家で蠟燭を灯し白粉を塗る美女を見つけて火を狙って撃つと、すべてが消え、大きな古狸が血に染まって死んでいた。以後若者に狸が戻ることはなかったという。

原典より

美馬郡岩倉村の山裾に氏神の八幡社がある。—— 阿波の狸の話(笠井) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

阿波の狸の話(笠井)

『阿波の狸の話』は、脇町の笠井という著者が、阿波国の各地に伝わる狸の話を集めて書いた本である。狸同士の化かし合い、狸使い、狸憑き、狸医者、狸を祀る祠などを題ごとに分け、郡村名や人名を挙げて、明治・大正の狸憑きの実話やお六つ大明神の信仰の様子も記す。後半に余材追録と、著者が萬福寺で狸に憑かれる人や住職と問答した記録を置き、巻末の「阿波名狸録」で名のある狸を徳島市と各郡の部に分けて並べる。

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