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至誠と念じた記者の胸中を読む透覚

所在地香川県丸亀市
年代明治四十三年頃
登場長尾郁子、報知新聞特派員
出典靈魂に就いての奇話

どんな伝承か

長尾郁子の透覚に驚かされた一人に、報知新聞の特派員がいた。記者は実験に使う八畳間から六、七間離れた無人の部屋で白紙に「至誠」と書き、何重にも折ってブリキ箱に収めた。実は初め「至誠神に通ず」と書くつもりで「神」まで書いたところでやめ、その紙を丸めてポケットに入れ、別の紙に改めて二字だけを書いていた。席に着いた記者は、胸の内でひそかに「至誠神に通ず」と念じていた。郁子は十五、六秒で分かったと言い、箱の中身が「至誠」であること、一度書き直したこと、さらにその二字の下に「通天」の字がうっすら見えたことまで言い当てた。心の中で思っていたことまで言われ、記者は心底驚いたという。

原典より

破つた紙はしはくちゃに丸めてあつたから、心で思つてゐたことまで云はれたには、實に驚かざるを得なかつた。—— 靈魂に就いての奇話(本誌記者編・趣味の科學) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

靈魂に就いての奇話(本誌記者編・趣味の科學)

『靈魂に就いての奇話』は、本誌記者が編んで雑誌の連載欄「趣味の科學」に載せた心霊研究の読み物である。欧米の心霊研究が説く霊魂と死後の生活、エジソンの霊界通信機の構想、ノバスコシアの騒霊事件、亡き人が夢や姿で知らせた話などを、学者の説や新聞雑誌の記事から集めて紹介する。「死後の生活」「不思議の現象と心理研究」「千里眼念寫の奇現象」と題を替えて回を重ね、終回では長尾郁子の透視や渡邊偉哉の念写の実験記録を取り上げる。

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