郁子の頭から出る放射線と未現像の透視
どんな伝承か
京都文科大学から派遣された心理学専攻の三浦恆助は、丸亀市の千里眼として知られた長尾郁子を調べ、その頭から一種の放射線が出ていることを見つけた。郁子から二尺ほど離した机に、感度の高いブロマイド紙と厚さ半ミリの鉛、アルミニウムを置いて七分間透視させ、すぐ現像すると、どれもはっきり感光し、鉛は郁子の前と横に向けて厚みの分の影を残した。光が郁子の頭から真っすぐ届いたことを示すものだという。七間ほど離れた別室のたんすに置いた乾板まで感光していた。三日の朝には、同大学の助教授の手のひらを写した未現像の乾板を透視させると、郁子は黒くてよく分からないと答え、現像すると乾板は真っ黒で答えのとおりだった。
原典より
直ちにこれを現像すると果して、乾板面は眞黒に感光してゐて何等の模樣がなく、郁子の答へは事實に的中してゐることを發見した。—— 靈魂に就いての奇話(本誌記者編・趣味の科學) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
靈魂に就いての奇話(本誌記者編・趣味の科學)
『靈魂に就いての奇話』は、本誌記者が編んで雑誌の連載欄「趣味の科學」に載せた心霊研究の読み物である。欧米の心霊研究が説く霊魂と死後の生活、エジソンの霊界通信機の構想、ノバスコシアの騒霊事件、亡き人が夢や姿で知らせた話などを、学者の説や新聞雑誌の記事から集めて紹介する。「死後の生活」「不思議の現象と心理研究」「千里眼念寫の奇現象」と題を替えて回を重ね、終回では長尾郁子の透視や渡邊偉哉の念写の実験記録を取り上げる。