念射フォルム盗難事件
どんな伝承か
明治四十四年一月、香川県丸亀市の長尾家での千里眼実験が世間を騒がせた末、乾板紛失事件で山川博士・福来博士らが引き上げた。その大事件の後、福来博士が改めて念射を実験しようと用意したフォルムが、玄関にいた長尾令嬢の隙をつかれて何者かに盗み去られ、程近い下水の溝渠の汚泥の中から発見された。警察署の厳密な探偵にもかかわらず、犯人が誰の仕業かは今に至るも判明しなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊哲学の現状(高橋五郎・1919年(大正8年))
『心霊哲学の現状』は、高橋五郎が大正八年に著した心霊研究の概説書である。英国のロッジが戦死した子レイモンドの霊と交わした冥界通信をはじめ、欧米の交霊術と霊媒の実例を訳して紹介し、日本の催眠術と千里眼の流行、御船千鶴子・長尾郁子の事件、霊光や念写までを論じる。篇と章に分け、心霊哲学とキリスト教、クリスチャン・サイエンス、淘宮術との関係や、太霊道など国内の霊術諸派も取り上げ、ところどころに評註を添える。