真鍋誠一の千里眼
どんな伝承か
『心理時報』に載った千里眼可能者の名簿の六番目に、真鍋誠一(二十六)がある。住所は丸亀市風袋町、丸亀税務署の官吏で、動機は「千鶴子を模倣す」と記される。同じ丸亀市からは、五番目に西平山町の長尾郁子(四十一・丸亀区裁判所判事長尾与吉の夫人)が挙げられている。郁子の評判が起こったのちに四方で霊能者が勃興したという当時の状況を、この名簿はよく示している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊哲学の現状(高橋五郎・1919年(大正8年))
『心霊哲学の現状』は、高橋五郎が大正八年に著した心霊研究の概説書である。英国のロッジが戦死した子レイモンドの霊と交わした冥界通信をはじめ、欧米の交霊術と霊媒の実例を訳して紹介し、日本の催眠術と千里眼の流行、御船千鶴子・長尾郁子の事件、霊光や念写までを論じる。篇と章に分け、心霊哲学とキリスト教、クリスチャン・サイエンス、淘宮術との関係や、太霊道など国内の霊術諸派も取り上げ、ところどころに評註を添える。