庭先の上空に停まった円盤
どんな伝承か
著者のもとに、杉並区に住むK・Mという婦人から便りが届いた。四十年以上も前、近所の人たちと庭先で立ち話をしていたところ、突然その上空に巨大な円盤が間近に現れ、しばらく静止したのち瞬時に消えたという。飛行機ではありえず、ただ唖然とした記憶だけが残っていると書かれていた。知人のイラストレーターも似た体験を持つ。深夜、寝室の窓から外を眺めていると、赤と青と黄の光を角に灯した巨大な三角形の船が低空に現れ、地上を探るように照らした。カメラを取って戻ると、星空だけが残っていた。
原典より
性格をよく承知している身内の目撃談ならある程度の判断ができる。—— 黄昏綺譚(高橋克彦・幽霊・怪異体験・1996年(平成8年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
黄昏綺譚(高橋克彦・幽霊・怪異体験・1996年(平成8年))
『黄昏綺譚』は、高橋克彦が連載をまとめ、一九九六年七月付のあとがきを付したエッセイ集で、吉田光彦の挿絵と組んだ画文集である。著者が体験し見聞きした分身や生霊、寺での怪異、前世、UFOなどの不思議と、史料や神話に残る怪異、宮澤賢治をゴッホの生まれ変わりとみる考えを語る。「この世に幽霊はいる」「不思議な話が史料や神話に」「宮澤賢治はゴッホの生まれ変わり!!!」の三部に分かれ、巻末にあとがきと丸尾末広の解説「黄昏るペン」を収める。