通夜の家で出迎える老婆の霊
どんな伝承か
ある編集者が終電で帰り、タクシーもつかまらないので多摩の田舎道を歩いて帰ることにした。真夜中だというのに玄関に煌々と提灯を点した家があり、勇気づけられて急ぐと、道の真ん中に白い物が置かれていた。近づくとそれは道に正座したお婆さんで、頭を下げられたので彼も慌ててお辞儀した。ふと左手の家に通夜の張り紙を見つけ、ぎょっとして道に目を戻すと、お婆さんの姿はどこにもなかった。弔問客を出迎えていた幽霊に違いないと編集者は力説し、著者もそう思ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
黄昏綺譚(高橋克彦・幽霊・怪異体験・現代)