漁船を照らした地震前の海上の火炎
どんな伝承か
地震の起こる前の日、山王町の髪結某ら二十人が語らって、二日の夕方に海上へ漁に出た。地震の直前、東北の方角が一時に明るくなり、着ている衣服の染め色や模様まで鮮やかに見分けられるほどであった。やがて海の底から鳴り渡る音が伝わり、船底に砂利が打ち当たるように聞こえて恐ろしかったが、続いて一団の火炎が音を立てて空を渡っていった。いよいよ恐ろしくなって船を陸に着けると、すでに地震のあとで、着替えや道具を預けていた永代橋際の茶店も潰れていた。彼らは瓦礫を掘って品々を取り出し、危うい思いで家に帰ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本のUFO(池田隆雄・UFO・未確認現象・1974年(昭和49年))
『日本のUFO』は、池田隆雄が昭和四十九年に著した、日本国内のUFO目撃事例の研究書である。古記録に残る怪しい星や安政の江戸大地震で目撃された光り物から、昭和二十年代以降の各地の目撃、着陸痕、レーダー捕捉や機上目撃までを、国内のUFO研究団体の会誌や新聞記事をもとに集める。編隊飛行、形態、色と舷窓、運動、知的な行動、天体との関係、着陸痕、海上の活動、レーダーと機上目撃の章に事例を分類し、巻末に参考資料とあとがきを置く。