伊豆七島の墓掃除と巫女信仰
どんな伝承か
井上円了は伊豆七島の迷信をこう報告する。七島の宗教は御倉島を除けばおおむね仏教だが信仰は乏しく、代わりに祖先崇拝が盛んで、墓を大切にする風がある。新島や神津島では墓場を清潔に保つことが甚だしく、嫁の毎朝の仕事は墓掃除であり、嫁入りに持参する第一の道具は墓掃除の手桶だという。神社に参っても賽銭の代わりに、大島では米を投げ、八丈島では海辺から取ってきた清浄な砂を投げる。しかも祈るのは冥福ではなく現世の福である。七島には巫女を信じる者が多く、八丈島の付属島である青島はことに巫女が多いことで知られていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
迷信の諸相・宗教の真相(井上円了・明治(妖怪学))
『妖怪博士』井上円了による『迷信の諸相・宗教の真相』。迷信を道理に背くことを誤って信じる心理と定義し、妖怪学の立場から全国を巡遊して各地の迷信を実地に報告・批判する(迷信打破)。