内股の題目とともに生まれた子
どんな伝承か
昭和の初め頃、東京杉並区堀の内の火葬場の構内に、松太郎(通称松公)という名物乞食が掘立小屋を建てて住んでいた。昭和十年に松公が死んだとき、懇意だった山崎平三郎は屍体の内股に南無妙法蓮華経松太郎と自分の住所を書き、一心に再生を念じたという。昭和十三年十月十五日の真夜中、大阪から訪ねてきた客が、一昨年生まれた男児の右内股に同じ文字が現れ、祈禱しても消えないと訴えた。墓の土で洗っても消えず、山崎が大阪へ出向いて題目を唱えながら脱脂綿で拭うと、文字は見る見る跡形もなく消えた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊界通信――超心理学入門(仁宮白雲(仁宮武夫)・仁宮武夫・心霊研究)
『霊界通信――超心理学入門』は、仁宮白雲の名で東洋書館から出た心霊研究と超心理学の入門書である。新聞・雑誌に載った幽霊の体験談、霊の手型や指紋、交差通信などの欧米の心霊研究、生まれ変わりの実例を集め、バーンスタインによる催眠退行の実験と「ブライデー・マーフィー」の録音記録を大きく紹介する。第一部で霊魂の存続、第二部と第四部でマーフィー事件とアイルランドの現地調査、第三部で死後の界層と超心理学を説き、巻末で読者に体験の報告を求める。