丙午生まれの妻たちの妻夫会
どんな伝承か
丙午生まれの女は気性が激しく多淫で、七人の夫を食うという迷信は、一八世紀ごろからひどくなり、明治三九年の丙午まで根強く影響を残した。これに反して、昭和二十九年、福岡県八幡市では明治三九年の丙午生まれの婦人たちが音頭をとり、十五組の夫婦が親睦団体「妻夫会」を結成した。「おたがいに亭主たちは喰い殺されもせず、ちゃんとしているじゃありませんか」と気炎をあげ、丙午の迷信に身をもって反証してみせたのである。
原典より
昭和二九年に福岡県八幡市で結成された親睦団体の"妻夫会(さいふかい)”は、明治三九年生まれの婦人たちの音頭とりでできた一五組の夫婦が会員。—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。