鎌に噛みついた頭ばかりの蛇
どんな伝承か
佐比内村の野槌の話に添えて、著者が自分の村にもあった話として記したもの。ある男が朝草刈りに行き、誤って鎌で蛇の頭を切ってしまった。年寄りたちの話を聞いていたので、すぐに蛇に向かって、これは俺のせいではない、鎌のせいだ、祟るなら鎌に祟れと言って帰った。ちょうど三年目にその場所で草を刈っていると、藁打ち槌のような頭ばかりの蛇が、草の中からいきなり鎌に噛みついた。男はその時、鎌で突き詰めて本当に殺したという。
原典より
直ぐに蛇にこれは俺の故でア無いよ。鎌の故だよ。崇らば鎌さ崇れと言って帰った。—— 佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。