淵の主へ嫁いだ甲子村の家の娘
どんな伝承か
腹帯の淵の主には代々人の娘が嫁ぐと語られていた。淵の近くの農家で大正五年頃に亡くなった娘は三代目の主の嫁になったといわれ、その一代前、二代目の主の嫁には上閉伊郡甲子村のコガヨ、あるいはコガトと呼ばれる家の娘が上がったと伝わる。この家では隣町の釜石で祭礼がある日、玄関に水を張った盥を出して草履をそろえておくと、盥の水は濁り、草履は濡れているという。またその日には決まって雨が降り、それは今も変わらないと言われている。
原典より
二代目には上閉伊郡甲子村コガヨとかコガトとか云ふ家の娘が上ったと言はれてゐる。—— 佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。