遠野小学校御倉の白衣童子
どんな伝承か
遠野町の小学校は、鍋倉山という昔の城跡の麓にあり、城の御倉だった建物をそのまま校舎に使っていた頃の話である。毎晩九時頃になると、白い衣物を着た六、七歳ほどの童子が玄関から入って来て教室のほうへ行き、机や椅子の間を潜って楽しそうに遊んでいた。かぶきれ頭であったというから、おそらくザシキワラシであったろうと語られる。二十四、五年も前のことであろうかという。著者が友人の伊藤という人から聞いた話である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。