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死助権現の石をめぐる村境争い

所在地岩手県遠野市(死助権現)
年代明治二十七八年頃
登場村人
出典佐々木喜善全集 1
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どんな伝承か

著者の村と隣村栗橋村との境の山に、ややピラミッド形をした高い山があり、死助権現という。その頂上に石の権現頭が両村を等しく見下ろして鎮座していたのを、向こうの村の衆がこれは我が領分の物だと言い立て、由緒を並べながら村総出で千曳にかけて自分の村の側の山腹まで引き下ろしてしまった。著者の村の衆も黙っておらず、村中に触れて死助峠まで押し出したが、よく調べると台石にあの村の某という昔の人の寄進と刻まれていたので、こちらの負けとなった。そんな石が欲しければいくらでもやると言って、若者たちは頂上から大石をいくつも転がして引き返したという。人気がいやに殺気立っていた頃の話である。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))

『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。

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