トップ > 岩手県の伝承 > 遠野市

浄瑠璃を語る拾われた骸骨

所在地岩手県遠野市
年代不明
登場浪人侍・骸骨
出典佐々木喜善全集 1

どんな伝承か

国々を巡る浪人侍が、ある山中で難儀して一つの骸骨を拾い上げた。自分もいつ他国の山野に骨をさらすかわからないと世の無常を感じたからで、それからは時々風呂敷包みから取り出して拝んでいた。ある時、骸骨が口をきき、いつも拝んでもらう礼に、物を言い歌うことならできるから、広い国へ出て自分のことを触れ歩け、浄瑠璃でも語ろうと言った。侍は人の集まる所で骸骨に浄瑠璃を語らせて大いに稼いだが、金がたまるにつれて骸骨をおろそかにした。評判が殿様に届いて城に呼ばれると、骸骨は黙り込み、侍は偽り者として打首にされかけた。その時骸骨が突然、男は急くものではないと口を開き、侍は許されて殿様に召し抱えられ、立身したという。

原典より

或時いつものやうに風呂敷包の中から取り出して拝むと、骸骨は物を言ひ出した。—— 佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年)) より引用
地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))

『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。

種別から探す

浄瑠璃浪人城立身

遠野市の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『佐々木喜善全集 1』の伝承