和尚に言われて買った何だべ
どんな伝承か
ある山寺に利口者の下男がいた。ある時和尚が、町へ行って「なんだべ」を買ってこいと言いつけた。下男はそれが何か問い返すのも癪なので、そのまま承知して町へ出かけ、上町から下町まで一軒ずつ「なんだべ」はないかと尋ねて歩いたが、どこにも置いていなかった。そこへ向こうから、千成のものを葉の付いた竹に結びつけて持って来る男がいて、町の人々があれは何だべと囃し立てた。下男は、なるほどあれが「なんだべ」かと合点してそれを買い求め、寺へ持ち帰った。和尚もそれを見て、おやおや、それは何だべと言ったという。
原典より
下男はははああんな物か何だべと謂ふものかと思つて、それを買って寺に還った。—— 佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。