子授けの霊験を伝える加賀清水
どんな伝承か
加賀清水の名は、佐倉城主の大久保加賀守忠朝が江戸へ参勤する道すがら、いつもこの清水を味わったことに由来するという。すぐ隣には林屋という茶屋があり、成田山へ参る客が必ず立ち寄った。主人が客に親切で、この清水で茶を出したことから大いに愛された店である。林屋の庭先には、客が成田山へ寄進した高さ二間ほどの石の大灯籠と、七代目団十郎が建てた道標が今も残る。刻まれた句は母さまと加賀さまを掛けて清水をたたえ、この水を飲めば子のない女性も身ごもるという意味を込めているという。
原典より
成田山への参詣客は必らず立ち寄ったところであり、ここの主人は客に親切であったことと、この清水で茶をのませたことで、客から愛された店である。—— 佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史)
『佐倉市史 民俗編――伝説・怪異』は、千葉県佐倉市の市史の民俗編のうち、第七章「民俗知識」と第八章「口承文芸」の伝説の節である。市内で採録した吉凶の予兆やまじない、民間薬、天気の言い伝えと、狐や狸の化かし、デーダラボーの足跡、岩富の首なし塚、天狗、狐火、印旛沼のカワボタルなどの伝説を収める。伝説は文化財保護委員会の分類に倣って自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説に分け、終わりに村々の禁忌を置く。