つつじヶ岡の茶屋に集う女たち
どんな伝承か
仙台城下のつつじヶ岡は桜見物でにぎわっていた。梅林の茶屋で渡辺屋万之助という男が客を招き、花見の宴を持った。客たちを送り出してから、万之助は気疲れと酒の疲れでうとうとしはじめた。ふと見ると座敷の客は顔ぶれが変わり、女ばかり数人になっている。武家の妻女もいれば商家の女房もいた。花見に来たことなどないと語り合い、武家の妻などつまらぬものだと言い、そろそろ帰りましょうか、残してきた子供の顔も忘れて花に見とれましたと話す。女たちは立ちかけるとともに姿が消えた。江戸の末の話である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東北怪談の旅(山田野理夫・昭和49年(1974年)頃)
東北怪談の旅(山田野理夫)/飢饉の非業の死と怨念/巫女(イタコ)の口寄せ/座敷童子・河童の怪/東北各地の幽霊伝承