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ほら貝が崩した坂城北山ののけ下

所在地長野県埴科郡坂城町大字坂城(のけ下)
年代不明(昔)
登場田吾十、猟師
出典坂城町誌 上巻(民俗編)――伝説

どんな伝承か

坂城の北山に、いまも草木が生えず山肌をさらけ出した急坂があり、人はそこをのけ下という。昔、北日名に民家が七、八軒しかなかった頃、田吾十という猟師がいた。ある日、獲物が一匹も見つからないまま歩いていると、足もとでほら貝の子が遊んでいたので、珍しがって上着に包み、かたわらの木にくくりつけた。やがて空が曇り、ものすごい夕立となる。上着を解いて逃げ帰る途中、濁流の中を臼ほどのほら貝が子貝を連れ、ぼうぼうと鳴きながら下ってゆくのを見た。家で上着を開くと大穴があき貝はいない。後日その場所へ行くと、ひどい崖崩れになっていたという。

原典より

田吾十は小高い所へ登って、音のする方に眼をむけると、沢を流れる濁流の中を臼のように大きいほら貝が「ぼうぼう」と鳴き子貝をつれてくるではないか。—— 坂城町誌 上巻(民俗編)――伝説(坂城町(編)・坂城町誌) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

坂城町誌 上巻(民俗編)――伝説(坂城町(編)・坂城町誌)

『坂城町誌 上巻(民俗編)――伝説』は、長野県坂城町の町誌上巻(自然編・民俗編)から、民俗編の数章を抜き出したものである。祟る所や神罰、ヒトダマ・狐火などの怪異、魔除け、植物の禁忌といった俗信を地区ごとの事例として番号を付けて並べ、続いて甘利さま、天田長者とほうず池、苅屋原の七不思議、貉和尚、夜泣き石など三十余りの伝説を収める。伝説の章は調査員の調査をもとに、以前の調査記録も二、三篇併せて載せる。

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