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山犬の子を巣へ返した豪胆な作男

所在地長野県埴科郡坂城町大字坂城四ツ屋(天が塔)
年代江戸末期
登場旧家十一屋の作男
出典坂城町誌 上巻(民俗編)――伝説

どんな伝承か

江戸の末ごろ、村の旧家十一屋に一風変わった作男がいた。四ッ屋の東にそびえる堂叡山のやや南の天が塔には、昔から山犬の巣といわれる大岩の下の穴があり、山犬の夫婦と子が住んでいた。冬になると近くでボヤ切りをしていたその作男が、ある日子犬を二匹抱いて帰ってきた。夜、主人が便所に起きると、家の周りを普通の犬とは違う大きな犬がうろついている。問い詰められた作男が子犬のことを白状すると、主人はすぐ巣へ返してこいと命じた。作男は鼻歌まじりに五キロほどの夜道を登り、親の山犬は後ろからついてきたが、男には手を出さず、その豪胆さに村人は驚いたという。

原典より

道みち鼻唄など唄いながら、曲りくねった山道を登って行くと、あとから親の山犬がのしんのしんとついてくる。—— 坂城町誌 上巻(民俗編)――伝説(坂城町(編)・坂城町誌) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

坂城町誌 上巻(民俗編)――伝説(坂城町(編)・坂城町誌)

『坂城町誌 上巻(民俗編)――伝説』は、長野県坂城町の町誌上巻(自然編・民俗編)から、民俗編の数章を抜き出したものである。祟る所や神罰、ヒトダマ・狐火などの怪異、魔除け、植物の禁忌といった俗信を地区ごとの事例として番号を付けて並べ、続いて甘利さま、天田長者とほうず池、苅屋原の七不思議、貉和尚、夜泣き石など三十余りの伝説を収める。伝説の章は調査員の調査をもとに、以前の調査記録も二、三篇併せて載せる。

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