棺に納めた神が招いた家の不幸
どんな伝承か
天栄村高林の小川家へ嫁いだフクの実家は、鏡石町の久来石にあった。実家にもオシンメイサマが祀られており、フクの母が守子を務めていた。母が亡くなったとき、寂しかろうという身内の思いから、その神体を母の棺へ納めて野辺送りにしたという。ところがその後、実家では跡取り息子が亡くなり、家族が事故に遭うなど不幸が続いた。ワカサマに拝んでもらうと、オシンメイサマのたたりだと告げられた。祟りを目の当たりにしたフクは、嫁ぎ先で守子を継いでからは神体に誰の手も触れさせず、一人で守りを続けている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術(天栄村(編)・天栄村史)
『天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術』は、岩瀬郡天栄村が編んだ村史のうち民俗を扱う巻である。第八章「信仰伝承」では、旧村ごとの鎮守と鎮守以外の神々、寺院・仏堂・修験、家や生業の神々、道切りなどの呪術と禁忌、口寄せをするワカドノ、キツネツキ、オシンメイサマ、小豆洗いなどの妖怪、講を扱う。『白河風土記』や明治十一年の神社明細帳の記載と土地での聞き書きを照らし、近世から近代への移り変わりを記す。