大蛇を埋めた蛇塚のたたり石
どんな伝承か
奈良市の内侍原町に、内侍原家の旧跡と称されるところがある。内侍原家は春日神社に仕える立派な家柄で、その家に大きな蛇が棲んでいた。夏になると庭に出て庭木を荒らすので、若衆がこの大蛇を殺した。祟りを恐れて大蛇を埋め、その上に自然石を置いて蛇塚とした。ところがいつのまにか椿の木が生えて赤い花を咲かせるようになったころ、内侍原家は衰え、ついに屋敷だけを残すようになった。以来この蛇塚の石に触れると病気になるとか死亡するとかいい、「たたり石」と呼んで恐れられた。昭和のはじめ、銭湯「戎湯」の三助がこの石に触れて三日目に死んだという話も残っている。
原典より
内侍原町に内侍原家の旧跡と称されるところがある。—— 奈良市史 民俗編――伝説(奈良市(編)・奈良市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
奈良市史 民俗編――伝説(奈良市(編)・奈良市史)
『奈良市史 民俗編――伝説』は、自治体史『奈良市史』民俗編のうち、第十一章「伝説」と巻末の「民俗資料」の冒頭を収めたものである。昭和三十七年から三か年にわたり市内各町の自治会長や古老、社寺を訪ねて集めた伝説に文献の伝えを加え、春日大社・東大寺・興福寺などの社寺や、吉備真備・俊寛・中将姫らゆかりの人物にまつわる話を収める。木・石・塚・水・山・森・社寺・人物・動植物・町名の十節に分け、一話ごとに題を立てて記す。