晴雨を分け合う氷室神と春日神の神相撲
どんな伝承か
氷室神社の祭りは十月一日、春日若宮祭は十二月十七日に行われるが、一方が晴れればもう一方は雨になるといわれる。春日の神が若宮のお旅所を氷室神社の境内に設けたため、腹を立てた氷室の神が毎年春日の神と相撲をとり、負けた側の祭りに雨を降らせることにしたからだという。若宮祭の相撲では必ず少しは雨が降るともいい、負けた悔しさから春日の神が降らせるのだとされる。奈良で興行相撲を催すと雨になるので行われなくなったとも伝え、これは春日の神が相撲を嫌うからだという。
原典より
氷室神社の祭りは十月一日で、春日若宮祭は十二月十七日であるが、氷室神社の祭りが晴天であれば、春日若宮祭は雨、氷室神社の祭りが雨であれば春日若宮祭は晴天といわれている。—— 奈良市史 民俗編――伝説(奈良市(編)・奈良市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
奈良市史 民俗編――伝説(奈良市(編)・奈良市史)
『奈良市史 民俗編――伝説』は、自治体史『奈良市史』民俗編のうち、第十一章「伝説」と巻末の「民俗資料」の冒頭を収めたものである。昭和三十七年から三か年にわたり市内各町の自治会長や古老、社寺を訪ねて集めた伝説に文献の伝えを加え、春日大社・東大寺・興福寺などの社寺や、吉備真備・俊寛・中将姫らゆかりの人物にまつわる話を収める。木・石・塚・水・山・森・社寺・人物・動植物・町名の十節に分け、一話ごとに題を立てて記す。