船を清める恵比寿直しの塩と御弊
どんな伝承か
漁がうまくいかないとき、また産や死者が出て船を清めるときに、恵比寿直しあるいは舟祈祷といって、船頭が代表して、または乗組員がそろって神子のもとを訪れる。漁が不調で祓いを頼まれた神子は塩と恵比寿様の御弊を渡す。塩は艫と舳先を清めるのに使い、御弊は船で海に出てからお神酒とともに海へ流す。産や死があるとチイミ・シイミといって忌みがかかり漁に出られないので、忌み祓いをして塩を持たせる。出漁中の家族の女たちは祓いのあと神社をまわる。鍬ヶ崎の人々は判官稲荷神社、鍬ヶ崎の熊野神社、黒森神社、佐原のお不動様、横山八幡宮、日立浜の竜神様の順に巡るという。
原典より
漁がうまくゆかないとき、お産のあとや死者がでたときなどの船の清めに、恵比寿直しまたは舟祈祷といって、船頭さんが代表して、または船の乗組員がそろって神子さんのところを訪れる。—— 宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪(宮古市(編)・宮古市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪(宮古市(編)・宮古市史)
『宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪』は、宮古市の市史のうち、民俗編上巻の第四節「民間宗教者」と第五節「民間医療と俗信」を収めたものである。南部藩の宗門帳などの古文書から閉伊郡の山伏・神子・瞽女と里修験の成り立ちをたどり、イタコ・カミツキと呼ばれる巫女の系統、新宗教、民間薬、予兆・占い・まじない・禁忌を述べる。俗信の末尾には座敷童子・カッパ・キツネ・モウコ(幽霊)・オシラサマなどの話を、地区名を添えて箇条で並べる。