穀物の橋を渡るイタコの魂入れ
どんな伝承か
千徳の字上鼻に住む古舘ナミイタコは、一五歳の三月三日に同じ千徳の松館トク師匠へ弟子入りし、神降ろし・地獄探し・病人祈祷・仏降ろし・国掛け祭文などを習った。一六歳のダイジユルシでは座敷に一週間籠り、日に三度水垢離をとった。六種類の穀物を入れたかますを部屋の四隅と真中に置き、真中のかますに反物をかけて橋とし、これを渡る。橋から落ちるとイタコになれないといわれた。神降ろしはシキジョウを歌ってから託宣をする。ホトケ降ろしは神降ろしをしてからでなければできず、一週間精進し、四九日を過ぎない仏は呼べないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪(宮古市(編)・宮古市史)
『宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪』は、宮古市の市史のうち、民俗編上巻の第四節「民間宗教者」と第五節「民間医療と俗信」を収めたものである。南部藩の宗門帳などの古文書から閉伊郡の山伏・神子・瞽女と里修験の成り立ちをたどり、イタコ・カミツキと呼ばれる巫女の系統、新宗教、民間薬、予兆・占い・まじない・禁忌を述べる。俗信の末尾には座敷童子・カッパ・キツネ・モウコ(幽霊)・オシラサマなどの話を、地区名を添えて箇条で並べる。