妊婦と死者にかかる海のケガレ
どんな伝承か
宮古でタブーの対象とされるのは、主に妊婦・産婦と死者である。妊娠している女はタコやナスビ、油濃いものを食べてはならず、葬式に出てはならない。やむを得ず出るときは、鏡の見える方を内側にして帯に入れて出る。産のケガレは一か月続くとされ、危険な仕事をする者は子が生まれた家に行かない。お産後一週間は夫は船に乗れず、マグロ船は血を嫌って出生の電報が届くと一日漁を止めた。死にもケガレがあり、祓いをしなければ海へ行けず、身内は四九日のうちは家の神にも向かない。ほかに、女の腰巻を屋根の上で振るな、夜に爪を切るなといった禁忌も伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪(宮古市(編)・宮古市史)
『宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪』は、宮古市の市史のうち、民俗編上巻の第四節「民間宗教者」と第五節「民間医療と俗信」を収めたものである。南部藩の宗門帳などの古文書から閉伊郡の山伏・神子・瞽女と里修験の成り立ちをたどり、イタコ・カミツキと呼ばれる巫女の系統、新宗教、民間薬、予兆・占い・まじない・禁忌を述べる。俗信の末尾には座敷童子・カッパ・キツネ・モウコ(幽霊)・オシラサマなどの話を、地区名を添えて箇条で並べる。