きつね憑きを落とすカミツキ
どんな伝承か
カミツキの前川マツは二六歳から祈祷に歩き、御幣の切り方は長沢のマタギに習った。護り本尊は庚申様で、庚申の日の亥の刻には神棚を拝んでいたという。巫女としての仕事は、戦時中に毎日兵隊が訪れた玉除け、仏の口寄せ、神を降ろして託宣する神の道、憑物落し、舟霊入れであった。昔はきつね憑きが多く、ホトケ様に憑かれると体がだるくなったり目が見えなくなったりする。神様の場合はおとがめといい、荒神様や山の神様のおとがめをくうことが多かった。生霊も昔はよくあり、ものさわりが離れると調子がよいという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪(宮古市(編)・宮古市史)
『宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪』は、宮古市の市史のうち、民俗編上巻の第四節「民間宗教者」と第五節「民間医療と俗信」を収めたものである。南部藩の宗門帳などの古文書から閉伊郡の山伏・神子・瞽女と里修験の成り立ちをたどり、イタコ・カミツキと呼ばれる巫女の系統、新宗教、民間薬、予兆・占い・まじない・禁忌を述べる。俗信の末尾には座敷童子・カッパ・キツネ・モウコ(幽霊)・オシラサマなどの話を、地区名を添えて箇条で並べる。