雀がくれた米の湧く瓢箪
どんな伝承か
優しい婆が、いたずらっ子たちに石を投げられて足と羽を折られた子雀を小遣いで買い取り、薬と包帯で手当てして養った。一月ほどで傷が癒えると空へ放してやった。やがて雀が小さな種を土産に持って来た。庭にまくと蔓が伸びて大きな瓢箪がいくつも実り、干すとどんどん重くなって、口を切ると白い米があふれ出た。空になっても二、三日で米が詰まり、食べきれずに近所へ配ったという。隣の意地悪で欲深い婆が、わざと雀に怪我をさせて手当てし、同じように種をもらってまいたところ、実った瓢箪からは蛇や百足がうじゃうじゃ出て来たと語られる。
原典より
昔々、あるところに、大へんやさしいおばあさんが住んでいました。—— 富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史)
『富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話』は、富岡市が編んだ市史の民俗編のうち、民俗知識の章の末尾と口頭伝承の章を収めたものである。口頭伝承の章は、昭和四十年代以降の中学校郷土部の採話や額部地区の民俗調査、市史編さんの調査で聞き取った昔話・伝説・世間話と、富岡・甘楽方言の解説から成る。伝説は自然的・社会的・信仰的の三つに分け、羊太夫や小野小町、貫前神社にまつわる話と多くの地名起源を載せる。